人の心を動かすテクニックを学んでも意味がない。人が動く本質の話

hitonokokorowougokasu

「人の心を動かすテクニック、方法を知りたい」
「人の心に響くメッセージを伝えたい」
「人の動かす影響力が欲しい」


そう思って多くの人は

「ミラーリングが大事だ!」
「このキラーワードを使え!」
「営業マンならこれをしろ!」

といったようなテクニックや法則をネットや書籍で沢山学びます。


しかし、どれだけの人の現実が変わったのか?

統計はとっていないので、
正確なことは言えませんが
ほとんどの人は変わっていないはずです。

実際に人を動かすという
テーマの代表格となった本である

カーネギーの「人を動かす」、
チャルディーニの「影響力の武器」、

は大量に売れ、ベストセラーになりました。

じゃあ売れた本の数だけ
人を動かすことに長けた人間が増えたのか?
と言われれば明らかに疑問が浮かびます。

別に本の内容が悪いわけではありません。
内容に関しては事実に基づいた素晴らしい内容です。

ではなぜ、多くの人は他人の心を動かせるようにならないのか?

それはテクニックや法則以前に
もっと大事なことを見落としているからです。

その大事なこととは
いわば”土台”のようなもので、

土台の上にテクニックがあるからこそ、
カーネギーやチャルディーニの本が
より一層効果的になります。

 

その大事なことというのは
「自分の伝えたい気持ち」です。

文章を書くときでも
人に話をするときでも同じです。

人の心を動かしたいなら
「なぜ伝えたいのか?」
という気持ちがなければ相手には伝わりません。

自分の伝えたい気持ちを明確に持つことで
次のようなことが現実になります。

  • 話や文章に深みやオーラが出せる
  • より多くの人を巻き込む影響力が増す
  • 人の心をつかめる



今回は、
「人の心を動かすにはなにが必要か?」
というテーマで話をしていきます。

 

人の心を動かすものとは?

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人の心を動かすことはテクニックや法則を学ぶだけでは実現できません。

先日テレビを見ていて
そのことを如実に感じた出来事がありました。

 

どんなにスキルが高くても心に響かない

先日、たまたまつけたテレビで
カラオケの点数を競う番組が放送されていました。

出場者はみんな素人ながら
プロ顔負けの歌唱力でスタジオを沸かせていました。

「下手ではないけど上手いわけでもない」
というカラオケで一番スベるタイプの僕にとってはただ羨ましいかぎりでした。

そんな羨望と嫉妬の眼差しで
テレビを観ていると今度は若い女性の方が歌いはじめました。

その女性もすごく上手で
カラオケも点数もすごく高かった。

でも彼女の歌を聴いていて
僕は違和感を感じました。

 

その違和感とは
女性の歌が心に全く響かなかったことです。

 

これは
僕の感受性の問題もあるかもしれませんが、
それだけでは説明できない”なにか”があると感じました。

その”なにか”とは
彼女の歌はカラオケで高得点を取ることに最適化しすぎていたこと。
そして「誰かに伝えたい」という気持ちを忘れていたことです。
ただただ得点を稼ぐことのみにフォーカスしていた。

 

もちろん、
カラオケの点数を競う番組なので
それが正解だし、

その女性も”高得点を出す”という条件から
外れた時は人の心に響く歌を歌うかもしれません。

ですが、
その番組における彼女の歌は
少なくとも心を打つものではなかった。

 

そこには

「なぜ歌いたいのか?」
「なぜその歌を歌いたいのか?」
「誰にその歌を届けたいのか?」

という”自分の気持ち”が全く感じられなかったのです。

「自分の伝えたい気持ち」が人の心を動かす

これは歌だけでなく、
文章を書くとき、人に話をするとき、など
自分が何かを伝えるときに共通することだと思います。

「誰に伝えたいのか?」
「なぜ伝えたいのか?」
「何を伝えたいのか?」

これが自分の中に明確にないと、
ただの新聞や教科書のような無味乾燥なものになってしまう。

無味乾燥なものは勉強すれば誰にでもできます。

ですが、それでは人の心は動きません。

 

人の心を動かすためには、
まずは伝えたい自分の気持ちを持つことが大事。

そこにテクニックが乗っかることでより強力なパワーを生み出します。

テクニックはいわばスパイスみたいなものです。

 

人の心を動かすのは「whyを問うこと」

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人の心を動かすには「自分の伝えたい気持ちが大事」と話ました。
より理解を深めるために別の視点でも考えて観ましょう。

 

影響力のある人たちは「why」から語る

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影響力があり人の心を動かすことができる人や企業は、
常に「なぜ?」から考え始めます。

その理由は「ゴールデンサークル」という理論があるからです。

ゴールデンサークルとは、
「why→how→what」の順に考え、
伝えることで人々の心を動かすことができるという理論です。

優れたリーダーや企業は必ずこの順番に語ります。

これを説明するときの有名な例として
iPhoneやMac製品を作っているAppleの例があります。

 

もしApple製品を単に「what」から語るとどうなるか?

我々のコンピュータは素晴らしく、美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい商品です。
ひとつ買いませんか?

となります。

これでは人の心を打つことはありません。
ですが、大半の人はこう考えます。

 

しかし「why」から語るとどうなるか?
次のようになります。

<Why>
我々のすることは全て、世界を変えるという信念があります。
アップルは違う考え方 (Think Different) に価値があると信じています。

<How>
 私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使え、親しみやすい製品です。

<What>
こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。

この順に語ると商品の魅力が伝わってきます。
iPhoneやMacbookを手にとってみたいと思います。

これが「why」が必要な理由です。

テレビ番組で歌っていた女性は
「カラオケで高得点を取る」ために歌っていました。

ですがそれは「why」ではありません。

「why」は
・社会や他人に与える影響
・ビジョンや目的
のことを言います。

「自分の人生にとって歌とは?」
「なぜ歌いたいのか?」

このような問いをかけることです。

すると

「自分の歌で誰かに勇気を与えたい」
「感動を与えたい」
「歌の楽しさを広めたい」

このような「why」が出てくるかもしれません。

 

「why」は大脳辺縁系に直接訴える事ができる

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なぜ「why」があると人の心を動かすのか?

それは脳の感情を司る大脳辺縁系に直接訴えかけることができるからです。

大脳には大脳新皮質と大脳辺縁系というものがあり、
以下のような役割を持っています。

大脳新皮質:脳の外側に位置しており、合理的、分析思考、言語を司る
大脳辺縁系:脳の内側に位置し、感情を司る

多くの人は「what」や「how」ばかりを考えるのですが、
それでは大脳辺縁系にアクセスすることはできません。

それができるのは「why」だけです。

 

プレゼンや文章を書くときも同じです。

多くの人は

「どうやったら感情を動かせるか?」
「何をしたら心を動かせるか?」

という「how」や「what」ばかりを考えています。

それでは人の感情は揺れません。

受け手の心が動き、
他人事を自分事に感じさせることができるのは「why」だけです。

 

そのためには自分の中の「why」を突き詰めること。

 

自分の中の「why」を明確にする事で
はじめてその文章に魂や宿り、

それが

・深みのある文章
・雰囲気のある文章
・オーラのある文章

となって相手の心に響かせる事ができます。

 

テクニックを学ぶのはあくまで「why」を効果的に伝えるためのものです。

それはそれでもちろん大事なのですが、
そもそも伝える「why」がなければどうしようもありません。

まずは自分にとっての「why」を定義することから始めましょう。

 

まとめ

人の心を動かすテクニックや法則だけを学んでも意味がない。

もっと重要なのは「why」を突き詰めること。
「why」は社会や他人に与えたい影響、ビジョン、目的であること。

「why」を明確にすることで

・自分の表現に深みやオーラが出る
・受け手を他人事から自分事にすることができる

それはつまり、相手の心を動かすことができるということです。

 

テクニックや法則を学ぶのも良いのですが、
自分にとっての「why」を考えることの方が
より本質的に重要なことだということを理解しておくことが大事です。